チュニジア 北アフリカの民芸と農産加工品

Maouel Moqdad Sshiri  CD

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型番 CD0002
販売価格 1,980円(税込)
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ベテランのチュニジア人演奏家たちが奏でる、オリエンタルの深い伝統を湛える詩と音楽

 アラブ人は詩の民ともいわれるが、マッワールとは詩に基づいた古典声楽の1ジャンルである。打楽器を用いず声と旋律楽器(本CDではヴァイオリンとカーヌーン)のみで演奏される。拍がないため演奏の自由度は大きいが、その分歌手には豊かな教養と経験が求められる。
 マッワールの演奏には、前奏として他の楽曲の一部の引用やタクスィーム(器楽の即興演奏)が付けられる。例えば、第5トラックは、ターティユス・エッフェンディ作曲の器楽曲サマイ・ヒジャーズ・カール・クルディの第一楽章とテスリム(各楽章の後に演奏されるサビのような部分)の演奏で幕を開け、ヴァイオリンによるタクスィームが続いて、その後ようやくマッワール《スニ・アンナフサ(心のかご)》が歌い始められる。

 マッワールの主なテーマは愛と嘆き。比較的ゆったりとしたテンポで、ひとつひとつの言葉が旋律に乗せて明瞭に発せられる。歌われた旋律を楽器が後からたどりながら、音楽が紡がれていく。歌詞の反復や、強弱・音域・音型などの変化によって音楽の波が起こされ、詩の世界が広がっていく。
 円熟味を帯びた演奏を通じて、大人の黄昏とでもよべるような世界に分け入ってみてほしい。音楽に限らず、コーラン朗誦などアラブの音世界に惹かれるすべての方にオススメ。

                         <益田彩香>

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